やり‐がんな【槍鉋/鐁】
《「やりかんな」とも》反った槍の穂先のような刃に長い柄を付けた鉋。突くようにして削る。室町時代に台鉋が現れるまで広く用いられ、今日では桶・たんす作りで使う前鉋がこの一種。
やり‐きず【槍傷/槍疵】
槍で突かれた傷。槍手(やりて)。
やり‐ごえ【槍声】
鋭くとがった声。いらだった声。「ひま入れて居ると、内儀が—出して」〈浮・手代気質〉
やり‐さき【槍先】
1 槍の先端。槍の穂先。 2 攻撃の方向。ほこさき。「今度は愛子の方に—を向けた」〈有島・或る女〉 3 争いの始まり。〈日葡〉
槍先(やりさき)の功名(こうみょう)
戦場での功績。武功。
やり‐さく【槍柵】
《「やりざく」とも》槍を柵のように多く並べ立てること。また、大勢が槍を構えて横に並ぶこと。
やりさび【槍錆】
端唄(はうた)・うた沢。文政年間(1818〜1830)の流行歌「与作踊り」の音頭をもとに、幕末に歌沢笹丸が歌詞を改め、節付けしたものという。「槍はさびても名はさびぬ」で始まる。
やり‐し【槍師】
1 槍を作る職人。 2 槍の扱いにたけた人。
やり‐した【槍下】
1 槍の下。〈日葡〉 2 槍で突き伏せること。また、突き伏せられること。「痛手を蒙(かうむ)り、—にして討たれにけり」〈信長記・一〉
やり‐じるし【槍印/槍幟】
槍の印付(しるしづ)けの環につけて家名を明らかにした、小切れ・白熊(はぐま)などのしるし。戦陣や外出のときに用いた。