なるみ‐がた【鳴海潟】
名古屋市緑区鳴海付近にあった海浜。[歌枕]「—岩根に寄する波の音にみなれながらもたつ千鳥かな」〈月詣集・一一〉
にきた‐つ【熟田津】
《「にきたづ」とも》愛媛県松山市の道後温泉付近にあった船着き場。[歌枕]「—に舟乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな」〈万・八〉
ぬのびき‐の‐たき【布引の滝】
神戸市中央区、六甲山麓の生田(いくた)川にかかる滝。雄滝・夫婦(めおと)滝・鼓ヶ滝・雌滝がある。[歌枕]「水上の空に見ゆるは白雲のたつにまがへる—」〈新古今・雑中〉
のじ‐の‐たまがわ【野路の玉川】
六(む)玉川の一。滋賀県草津市野路町にあった小川。萩の名所。[歌枕]「明日もこむ—萩こえて色なる波に月やどりけり」〈千載・秋上〉
のじま‐が‐さき【野島が崎】
兵庫県淡路市北部にある岬。[歌枕]「近江路の—の浜風に妹(いも)が結びし紐(ひも)ふきかへす」〈玉葉集・旅〉
のだ‐の‐たまがわ【野田の玉川】
六(む)玉川の一。宮城県多賀城市の川。千鳥の名所。千鳥の玉川。[歌枕]「夕されば潮風こして陸奥(みちのく)の—千鳥鳴くなり」〈新古今・冬〉
のちせ‐やま【後瀬山】
福井県小浜市の小山。[歌枕]「—後も逢はむと思へこそ死ぬべきものを今日までも生けれ」〈万・七三九〉
のなか‐の‐しみず【野中の清水】
1 野中にわき出る清水。特に、播磨(はりま)国印南野(いなみの)にあったという清水。冷たくてよい水であったが、のちにぬるくなってしまったという。[歌枕]「いにしへの—ぬるけれどもとの心をしる人ぞ...
はつせ【初瀬/泊瀬】
奈良県桜井市初瀬(はせ)の古称。[歌枕]「うかりける人を—の山おろしよ激しかれとは祈らぬものを」〈千載・恋二〉
はつせ‐がわ【初瀬川】
奈良県桜井市を流れる初瀬(はせ)川の古称。[歌枕]「—古川の辺に二本(ふたもと)ある杉年を経てまたも逢ひ見む二本ある杉」〈古今・雑体〉