た‐ごし【手越し】
物を手から手へ渡していくこと。手渡しで運ぶこと。「大坂に継ぎ登れる石群(むら)を—に越さば越しかてむかも」〈崇神紀・歌謡〉
たしだし‐に
[副]《「たしに」の「たし」を重ねて強めた語》確実に。十分に。しっかりと。「笹葉に打つや霰(あられ)の—率(ゐ)寝てむ後は」〈記・下・歌謡〉
たし‐に
[副]しっかりと。十分に。たしかに。「—は率(ゐ)寝ず」〈記・下・歌謡〉
たしみ‐だけ【た繁み竹】
生い茂っている竹。「本には、い組竹生(お)ひ、末(すゑ)へには—生ひ」〈記・下・歌謡〉
たた【楯】
「たて」の古形。「—並(な)めて」〈記・中・歌謡〉
たたな‐づく
[枕] 1 幾重にも重なっている意から、「青垣」「青垣山」にかかる。「—青垣山籠れる大和しうるはし」〈記・中・歌謡〉 2 かかり方未詳。「柔膚(にきはだ)」にかかる。「夫(つま)の命(みこと)の...
たたみ‐こも【畳薦】
[名]畳にする薦。「—隔て編む数かよはさば道の芝草生ひざらましを」〈万・二七七七〉
[枕]薦を幾重にも重ねるところから、「重(へ)」の音をもつ地名「平群(へぐり)」にかかる。「命の全(また)...
ただむき【腕/臂】
うで。肩からひじまでを「かいな」というのに対して、ひじから手首までの部分。「白—枕(ま)かずけばこそ」〈記・下・歌謡〉
たち・く【立ち来/起ち来】
[動カ変] 1 やってくる。来る。「近江より朝—・くればうねの野にたづぞ鳴くなる明けぬこの夜は」〈古今・大歌所御歌〉 2 雲・霧・波・風などがわき起こってくる。「吾家(わぎへ)の方よ雲居—・くも...
たち‐さか・ゆ【立ち栄ゆ】
[動ヤ下二] 1 草木などが盛んに茂る。「山の峡(かひ)に—・ゆる葉広熊白檮(くまかし)」〈記・下・歌謡〉 2 時を得て栄える。時めく。繁栄する。「—・え給へるこそ、たぐひなきやんごとなさなめれ...