なん‐ぷう【南風】
1 南から吹く風。特に、夏季に南から吹く風。みなみかぜ。はえ。《季 夏》 2 南方の歌謡。南方の風習をうたった歌謡。
南風(なんぷう)競(きそ)わず
《「春秋左伝」襄公一八年の、南方の歌謡の声調が北方の歌謡に負けている意から》南方の国の勢いが振るわないこと。日本では吉野朝(南朝)の勢力が北朝に押されて振るわないことをいった。
に【土】
土。特に赤土。「櫟井(いちひゐ)の丸邇坂(わにさ)の—を端(はつ)—は膚赤らけみ」〈記・中・歌謡〉
に‐ぐろ・し【土黒し】
[形ク]土の色のように黒い。「底土(しはに)は—・きゆゑ」〈記・中・歌謡〉
にこ‐で【和手/柔手】
やわらかい手。「向かつ峰(を)に立てる夫(せ)らが—こそ我が手を取らめ」〈皇極紀・歌謡〉
にこ‐や【和や/柔や】
やわらかいこと。また、そのもの。「蠶衾(むしぶすま)—が下に」〈記・上・歌謡〉
にわ‐すずめ【庭雀】
庭にいる雀。「—踞集(うずすま)りゐて」〈記・下・歌謡〉
ぬえくさ‐の【萎草の】
[枕]なよなよとした草の意から、「女(め)」に掛かる。「—女にしあれば」〈記・上・歌謡〉
ぬて【鐸】
「ぬりて(鐸)」の音変化。「百伝(ももづた)ふ—ゆらくも置目(おきめ)来らしも」〈記・下・歌謡〉
ぬなわ‐くり
ジュンサイの古名。「—延(は)へけく知らに」〈記・中・歌謡〉