いい‐だし【言(い)出し】
1 人よりも前に言うこと。はじめに言うこと。また、その人。「お若い方々前に置いて老人(としより)の—は怪しからぬようなれど」〈露伴・いさなとり〉 2 話・歌などの最初の言葉・文句。
い‐えい【遺詠】
1 故人が詠んだ未発表の詩歌。「—を歌集にまとめる」 2 辞世の詩歌。
いえ‐の‐げい【家の芸】
ある家に代々伝えられてきた由緒ある技芸。主に歌舞伎についていう。お家芸。「一子相伝の—」「音羽屋の—」
いえ‐の‐しゅう【家の集】
勅撰集などに対して、個人の和歌を集めた歌集。私家集(しかしゅう)。
い‐おう【以往/已往】
1 その時からのち。以後。以降。「平安遷都—の文化」 2 (已往)それより前。以前。往時。「およばぬ高き姿を願ひて寛平—の歌にならはば」〈近代秀歌〉 [補説]本来、「以往」はある時からのち、「已...
いおり‐かんばん【庵看板】
1 歌舞伎劇場前に掲げる看板。役者の名と家紋をかいた板の上部に屋根の形をつけたもの。最初は上方(かみがた)からの下り役者や臨時出演の役者に、のちには上級役者から作者にまで用いた。→一枚看板 →名...
いおり‐てん【庵点】
《庵形をしているところから》箇条書きの文書の頭、和歌・連歌・謡物や、連署する姓名などの肩につける「〽」「」などの記号。検閲・確認などの印とした。また、文章中で歌謡を引用する場合にも使われる。
いか・い【厳い】
[形][文]いか・し[ク] 1 程度がはなはだしい。大層である。「前度(ぜんど)—・い世話に成った気で」〈鏡花・歌行灯〉 2 大きい。多い。「能(よ)う—・い声を出す方様じゃ」〈露伴・椀久物語〉...
いかがさき【伊加加崎/伊加賀崎】
滋賀県大津市石山寺付近の瀬田(せた)川沿いの地。[歌枕]「我はただ風にのみこそまかせたれ—には人の行くらむ」〈和泉式部続集〉 [補説]大阪府枚方市伊加賀の地ともいう。
い‐かく・る【い隠る】
[動ラ四]《「い」は接頭語》隠れる。「をとめの—・る岡を」〈記・下・歌謡〉