此処(ここ)を最後(さいご)
ここが死に場所だと思って死力を尽くすこと。「—と攻め戦ふ」〈平家・八〉
此処(ここ)を先途(せんど)と
ここが勝敗・成否を決する大事な場合だと思って、いっしょうけんめいになるようす。「—攻撃に死力を尽くす」 [補説]この句での「先途」は、重要な場面の意。「出発点」の意はない。
此処(ここ)を踏(ふ)んだら彼所(あちら)が上(あ)が・る
互いに関連しあい、影響しあうことのたとえ。また、一方がうまくいけば、他方がだめで、両方そろってうまくいかないことのたとえ。
ここ‐を‐もって【是を以て/此処を以て】
[接]《「ここをもちて」の音変化。漢文訓読語から》こういうわけで。それゆえに。「凡そ民間の事業、十に七八は官の関せざるものなし。—世の人心益々其の風になびき」〈福沢・学問のすゝめ〉
こ‐たび【此度】
このたび。今度。こたみ。「—巨勢君、ここなる美術学校に、しばし足を駐めむとて」〈鴎外・うたかたの記〉
こ‐たみ【此度】
「こたび」の音変化。「—は、院の上みづから降りたち」〈増鏡・おどろの下〉
こ‐ち【此方】
[代] 1 近称の指示代名詞。こっち。こちら。「—やと言へば、ついゐたり」〈源・若紫〉 2 一人称の人代名詞。わたくし。わたくしども。「そちが知らずは、—も知らぬぞ」〈虎清狂・文荷〉
こち‐ごち【此方此方】
[代]不定称の指示代名詞。あちこち。あちらこちら。ほうぼう。「—の国のみ中ゆ出で立てる富士の高嶺は」〈万・三一九〉
こち‐と【此方人】
[代]《「こちひと」の音変化》一人称の人代名詞。わたしたち。わたし。「内にゐやんす内儀様—ばかりにうちまかせ」〈浄・重井筒〉
こちと‐ら【此方人等】
[代]《代名詞「こちと」に複数を示す「ら」のついたもの、単数にも用いる》一人称の人代名詞。おれたち。おれ。「—の知ったことじゃない」「—はどうで着た限(きり)雀ときてゐるから」〈滑・浮世風呂・三...