との‐ど【殿戸/殿門】
御殿の戸口。相手の家への敬意を表す語。「味酒(うまさけ)三輪の殿の朝戸にも出でて行かな三輪の—を」〈崇神紀・歌謡〉
との‐な【殿名】
宮中の女房の呼び名の一つ。三条殿・大宮殿などと「…殿」と呼ぶもの。→小路名(こうじな)
との‐の‐うえ【殿の上】
摂政・関白など、時の第一人者の妻に対する敬称。「—の御かたちに似る人おはせじ」〈源・玉鬘〉
との‐はじめ【殿始め】
女性がはじめて男性と床をともにすること。「みづからは—」〈浄・烏帽子折〉
との‐ばら【殿原】
《「ばら」は複数を表す接尾語》身分の高い人々や武士などを敬っていう語。殿たち。「これを見給へ、東国の—」〈平家・九〉
との‐びと【殿人】
貴族に仕える人。貴族の家人(けにん)。「—、親しき家司(けいし)などは」〈源・総角〉
との‐ぶり【殿振り】
男ぶり。「馬上優(ゆたか)に出勤した姿は…遖(あっぱ)れ—と」〈紅葉・二人女房〉
とのも‐づかさ【主殿司/殿司/主殿寮】
1 ⇒とのもりづかさ 2 ⇒主殿寮(とのもりょう)1
との‐もり【主殿/殿守】
1 主殿寮(とのもりょう)の下級役人。 2 宮中の雑役や、蔵人(くろうど)拝賀のとき賜る湯づけの給仕をした女官。
とのもり‐づかさ【主殿司/殿司/主殿署】
1 (主殿司)主殿寮(とのもりょう)に仕える職員。また、その役所。とのもづかさ。 2 (殿司)後宮十二司の一。後宮の清掃・乗り物・灯火などのことをつかさどった役所。また、その女官。とのもづかさ。...