もぎ‐どう【没義道/無義道】
[名・形動]人の道にはずれてむごいこと。非道なこと。また、そのさま。不人情。「田舎の客から—に金を絞りとる場面なども」〈里見弴・安城家の兄弟〉
もっ‐かん【没官】
犯罪者やその家族・土地・財産などを官に没収すること。律における形罰で、謀反(むへん)・大逆を犯した者の父子・家人は官戸・公奴婢とされ、資財・田宅などは没収された。ぼっかん。
もっ‐きゃく【没却】
なくすこと。損失。ぼっきゃく。「親方の—あり、わが身上の滅却あり」〈浄・油地獄〉
もっ‐こつ【没骨】
中国画の技法の一。輪郭線を用いず、直接彩色して対象を表すもの。花鳥画に用いられ、徐氏体の特色とされる。→鉤勒塡彩(こうろくてんさい)
もっ‐しゅ【没収】
罰として、地位・土地・財産などを取り上げること。ぼっしゅう。もっしゅう。「公請を停止し、所職を—せらる」〈平家・六〉
もっ‐しゅう【没収】
「もっしゅ(没収)」に同じ。〈運歩色葉〉
ぼっしょく‐し【没食子】
⇒もっしょくし(没食子)
もっしょく‐し【没食子】
《食べられない果実の意》小アジア産のカシ・ナラ類の若枝に、タマバチが産卵のときに刺すことによって生じる虫癭(ちゅうえい)(虫こぶ)。直径約2センチほどの球状。タンニン酸やインクの原料。ぼっしょくし。
もっしょくし‐さん【没食子酸】
没食子・五倍子(ふし)や茶などに含まれ、またタンニンを加水分解して得られる無色の針状結晶。インク・染料・写真現像剤・収斂(しゅうれん)薬などの原料。ぼっしょくしさん。
もっ・す【没す】
[動サ変]「ぼっ(没)する」に同じ。「観音を念ぜば波浪に—・する事なからん」〈盛衰記・一八〉