さ‐な◦なり【然ななり】
[連語]《副詞「さ」+連語「ななり」》そのようだ。そうらしい。「うち叩(たた)き給ふさま、—◦なり、と聞き給ひて」〈源・総角〉
然(さ)なら◦ず
1 そのようでない。そうではない。「—◦ぬ事だに、人の御ためには、よさまの事をしも言ひ出でぬ世なれば」〈源・葵〉 2 そうあるべきではない。「さまことに、—◦ぬ打ちとけわざもし給ひけり」〈源・末摘花〉
然(さ)◦なり
そうである。そのとおりだ。「—◦なりとて過ぐしつ」〈今昔・二三・一六〉
さに‐あらず【然にあらず】
[連語]そうではない。「白状するかと思えば—、しらを切っている」
さ‐のみ【然のみ】
[副]《副詞「さ」+副助詞「のみ」から》 1 (あとに打消しの語を伴って用いる)それほど。さほど。「—運動にはならないでも」〈里見弴・今年竹〉 2 そのように一概に。「今より後は、まして—なむ思...
さ‐は【然は】
[連語]《副詞「さ」+係助詞「は」》そうは。そのようには。「え—申さで」〈源・夕顔〉 [接]⇒さ(然)ば
さは‐あれ【然はあれ】
[接]《連語「さは」+動詞「あり」の已然形「あれ」から》そうではあるが。されど。「—小説に諷意を寓して」〈逍遥・小説神髄〉
さは‐いえ【然は言え】
[接]そうはいうものの。「—今はみちもなし」〈落合直文・陸奥の吹雪〉
然(さ)はそう◦ず
そうでしょう。そうである。「およそ武士は二心あるを恥とす。ことに源氏のならひは—◦ず」〈古活字本平治・中〉
さ‐ば【然ば】
[接]《「さは」とも》それならば。それでは。さらば。「侍従の君呼び出でて、—、参り給へ、と言へば」〈源・蜻蛉〉