さ‐ばかり【然許り】
[副] 1 それぐらい。それほど。「—急にもとめ給はば」〈露伴・風流魔〉 「—の人は思しはばかるべきぞかし」〈源・賢木〉 2 たいへん。あんなに。「—寒き夜もすがら」〈徒然・二三〉
さ◦べし【然べし】
[連語]連語「さるべし」の音変化。「ここには—◦べきにや、ただ厭ひ離れよと」〈源・橋姫〉
さ‐ほど【然程】
[副](多くは、あとに打消しの語を伴って用いる)それほど。たいして。「—(に)ひどい病気ではない」「—の出来でもない」
さ‐まで【然迄】
[副](多くは、あとに打消しの語を伴って用いる)それほど。そんなにまで。「—気にかけてはいない」
さ‐も【然も】
[副]《副詞「さ」+係助詞「も」から》 1 そうも。そのようにも。「—あろう」 2 確かにそれに違いないと思われるさま。いかにも。「—うれしそうな顔をする」 3 まったく。実に。「あはれ、—寒き...
然(さ)もあらばあれ
それならそれでしかたがない。なるようになれ。ままよ。さもあれ。「—、造化の翁が造り做したる活世界は」〈逍遥・小説神髄〉
然(さ)もあら◦ん
「さもありなん」に同じ。
然(さ)もあ・り
1 そのようである。「よに—・らじ」〈落窪・一〉 2 もっともである。「加持などまゐりて出でさせ給へと申す。—・る事とみな人申す」〈源・若紫〉
然(さ)もありな◦ん
きっとそうであろう。もっともである。さもあらん。「今回の表彰も、彼の日頃の努力からは—◦んと思われた」
然(さ)もあれ
それにしても。ともかくも。ままよ。さもあらばあれ。「—鉢かづきは、いか様変化(へんげ)の者にて」〈伽・鉢かづき〉