もの‐の【物の】
[連体]数を表す語の上に付けて、それがほんのわずかであることを表す。たかだか。せいぜい。「—三人もいれば十分だ」「—数分で着く」
もの‐の‐あなた【物の彼方】
1 物のあちら。物の向こう側。 2 死後の世界。来世。のちの世。「—思う給へやらざりけるが」〈源・鈴虫〉
もの‐の‐あわれ【物の哀れ】
1 本居宣長が唱えた、平安時代の文芸理念・美的理念。対象客観を示す「もの」と、感動主観を示す「あわれ」との一致するところに生じる、調和のとれた優美繊細な情趣の世界を理念化したもの。その最高の達成...
もの‐の‐インターネット【物のインターネット】
⇒アイ‐オー‐ティー(IoT)
もの‐の‐おり【物の折】
何かの機会。また、ちょうどその機会。「—など、人のよみ侍らむにも、よめなどおほせられば」〈枕・九九〉
もの‐の‐かず【物の数】
1 (多く打消しの語を伴って用いる)数えたてるほど価値のあるもの。問題にすべきもの。「寒さなど—ではない」「—とも思わない」 2 人や物を順々に数え上げる数。「下﨟(げらふ)は四五百千までこそ—...
もの‐の‐きこえ【物の聞こえ】
世間の評判。世のうわさ。「—に憚りて常陸に下りしをぞ」〈源・関屋〉
もの‐の‐ぐ【物の具】
1 道具。調度品。「—をだにとらず、深くかくれにけり」〈宇治拾遺・九〉 2 武具。兵具。特に鎧(よろい)をいう。また、武者がそれを身につけること。「我とおもはん者共は皆—して馳せ参れ」〈平家・二...
もの‐の‐け【物の怪/物の気】
人にとりついて祟(たた)りをする死霊・生き霊・妖怪の類。
もの‐の‐こえ【物の声】
鳥獣の声や楽器などの音色。「今めきたる—なれば」〈源・帚木〉