こう‐ぎん【口吟】
[名](スル)詩歌などを口ずさむこと。「独り歩み黙思—し」〈独歩・武蔵野〉
こう‐こ【後顧】
1 後ろを振り返って見ること。 2 あとあとを気遣うこと。「—の老父母を以て…或は戦死し、或は大傷す」〈独歩・愛弟通信〉
こう‐こう【耿耿】
[ト・タル][文][形動タリ] 1 光が明るく輝くさま。「洋灯(ランプ)が—と輝いて居る」〈独歩・忘れえぬ人々〉 2 気にかかることがあって、心が安らかでないさま。「転(うた)た—と神(しん)す...
こう‐しん【航進】
[名](スル)艦船が進むこと。航路を進むこと。「旗艦再び針路を北に向けて第一遊撃隊の跡を—し」〈独歩・愛弟通信〉
こう‐じん【紅塵】
1 赤茶けて見える土ぼこり。市街地に立つ土ぼこりなどにもいう。「—三千丈の都会」〈独歩・牛肉と馬鈴薯〉 2 俗人の住む世の中。また、俗世の煩わしさ。俗塵。「—深く重(かさな)りて厭(いと)う可(...
こころ‐ばせ【心馳せ】
1 平素からの心の働き。気だて。性質。心ばえ。「常(いつ)も楽しそうに見えるばかりか、—も至て正しいので」〈独歩・少年の悲哀〉 2 心配り。「この娘、すぐれたる形ならねど、なつかしう貴(あて)は...
こ‐し【顧視】
[名](スル)振り返って見ること。かえりみること。「(敵兵ハ)ただ左往右往して我が軍人を—せり」〈独歩・愛弟通信〉
こ‐ぼう【顧望】
[名](スル) 1 振り向いて見ること。「俯仰—する処として惨憺の色ならざるなし」〈独歩・愛弟通信〉 2 あれこれと考えていて、行動に移らないこと。ためらうこと。「是を是とし非を非とし、更に—す...
こん‐こん【渾渾/混混】
[ト・タル][文][形動タリ] 1 水がさかんに流れるさま。また、尽きることなくわくさま。「—とわき出る清水」 2 物事の尽きないさま。特に、弁舌などがとどこおりなくさわやかなさま。「名論卓説、...
ごう‐まい【豪邁/剛邁】
[名・形動]気性が強く人よりすぐれていること。また、そのさま。「軍人諸氏の—なる意風(いき)を察するに」〈独歩・愛弟通信〉