さ‐ごろも【狭衣】
《「さ」は接頭語》ころも。衣服。「人妻に言ふは誰(た)がこと—のこの紐(ひも)解けと言ふは誰がこと」〈万・二八六六〉
さごろも‐の【狭衣の】
[枕]衣の緒(を)の意から、「小(を)」にかかる。「—小筑波嶺(をづくはね)ろの」〈万・三三九四〉
さごろも‐の‐だいしょう【狭衣大将】
狭衣物語の主人公。帝の弟、堀河大臣の子。容姿・学芸ともにすぐれた貴公子で、源氏宮など多くの女性と恋愛のすえ、神託によって帝位につく。
さごろもものがたり【狭衣物語】
平安時代の物語。4巻。作者は禖子(ばいし)内親王宣旨(せんじ)とされる。延久・承保(1069〜1077)のころの成立。狭衣大将の、源氏宮との遂げられぬ恋を中心とした恋愛生活を描く。