いら‐つ‐こ【郎子】
上代、若い男性を親しんで呼んだ語。いらつきみ。⇔郎女(いらつめ)。「太子菟道稚(うぢのわか)—、位を大鷦鷯尊(おほささぎのみこと)に譲りまして」〈仁徳紀〉
いろ‐あく【色悪】
1 歌舞伎の役柄の一つで、外見は二枚目で性根は悪人の役。「累(かさね)」の与右衛門、「四谷怪談」の伊右衛門など。いろがたき。 2 女性を迷わせてもてあそぶ男。色魔(しきま)。「中々の—で…、咖啡...
いろ‐おとこ【色男】
1 顔だちのよい男。好男子。美男(びなん)。 2 情夫。間男(まおとこ)。いろ。「—をこしらえてお屋敷を遁げ出すのみならず」〈円朝・怪談牡丹灯籠〉 3 好色な男。色事師。「—おれを見たかと供にき...
いろ‐がわら【色河原】
近世、京都四条河原のこと。芝居小屋があり、男色を売る者がいたところからいう。
いろ‐こ【色子】
江戸時代、男色を売った歌舞伎の少年俳優。舞台子(ぶたいこ)。→陰間(かげま)
いろ‐こい【色恋】
男女間の恋愛や情事。色事。「—抜きのつきあい」「—沙汰」
いろ‐ごと【色事】
1 男女間の恋愛や情事。「—には縁遠い生活」 2 芝居で、男女間の情事のしぐさ。 3 情人。愛人。いろ。「あの花紫は幡随長兵衛が—だとのこと」〈伎・吾嬬鑑〉
いろごと‐し【色事師】
1 歌舞伎で、色事を演じるのを得意とする役者。濡(ぬ)れ事師。 2 情事の巧みな男。女たらし。
いろ‐せ
《「いろ」は接頭語。「せ」は親しい男性を呼ぶ称》同母の兄弟。「吾(あ)は天照大御神の—なり」〈記・上〉
いろ‐どころ【色所】
1 遊里。色里。遊郭。 2 男女の愛情が深い土地。人情のこまやかな地方。「上方は—、定めて深い訳があろ」〈浄・博多小女郎〉