空(むな)しきけぶり
火葬の煙。無常の煙。
空(むな)しき空(そら)
どこまでも果てしなく広がる空。大空。虚空(こくう)。「わが恋は—にみちぬらし思ひやれども行くかたもなし」〈古今・恋一〉
空(むな)しき名(な)
実質を伴わない名声。虚名。浮き名。「秋風の—をも空に立つかな」〈宇津保・内侍督〉
空(むな)しき船(ふね)
譲位した帝。上皇。君を船、臣を水にたとえていった語。「住吉の神はあはれと思ふらむ—をさして来たれば」〈後拾遺・雑四〉
空(むな)しくな・る
死ぬ。みまかる。むなしゅうなる。「手当てのかいなく—・る」
むな‐で【空手】
手に何も持たないこと。また、手をこまねいて何もしないこと。素手(すで)。からて。「—に直(ただ)に取りてむ」〈記・中〉
むな‐ばせ【空馳せ】
《馳せたのがむだであったの意から》競馬(くらべうま)で負けること。「競馬をつかうまつりけるが、十度—をしたりけるを」〈著聞集・一六〉