か・つ【糅つ】
[動タ下二]まぜ合わせる。まぜる。「醤酢(ひしほす)に蒜(ひる)搗(つ)き—・てて鯛願ふ我にな見えそ水葱(なぎ)の羹(あつもの)」〈万・三八二九〉 [補説]現代語では「かてて加えて」の形で用いる。
かて【糅】
《動詞「か(糅)つ」(下二)の連用形から》飯を炊くとき量を増すために混ぜて加えるもの。また、それを加えた飯。かてめし。「南京米と—の飯は、喰ったことがねえ男だ」〈魯文・安愚楽鍋〉
かてて‐くわえて【糅てて加えて】
[連語]《「かて」は動詞「か(糅)つ」(下二)の連用形》ある事柄にさらに他の事柄が加わって。その上。おまけに。多く、よくないことが重なるときに使われる。「事業に失敗し、—病魔に冒される」
かて‐に【糅てに】
[連語]《動詞「か(糅)つ」(下二)の連用形+格助詞「に」》…交じりに。「神無月時雨ばかりは降らずして雪—さへなどかなるらむ」〈流布本後撰・冬〉
かて‐めし【糅飯】
量の不足を補うため、米に麦・豆・大根・海藻などをまぜて炊いた飯。かて。「新しい蚕豆の入った—」〈島木健作・続生活の探求〉
じゅう‐ぜん【糅然】
[ト・タル][文][形動タリ]入りまじるさま。ごちゃごちゃしているさま。「粗雑な文句ばかりが—としてちらかっている」〈芥川・戯作三昧〉