みみ‐だらい【耳盥】
左右に耳状の取っ手のついた小形のたらい。多く漆器で、鉄漿付(かねつ)けの際、口をすすぐのに用いた。→角盥(つのだらい)
みみ‐だれ【耳垂れ】
耳の穴から膿(うみ)のような分泌物が出る状態。また、その分泌物。外耳・中耳の炎症でみられる。耳漏(じろう)。
みみ‐だんごう【耳談合】
耳打ちをして話し合うこと。耳相談。「大事なきことを深くとりなし、—なんどをして」〈甲陽軍鑑・一三〉
みみ‐ちか・し【耳近し】
[形ク]《「みみぢかし」とも》 1 すぐ近くに聞こえる。「松風いと—・う心細く聞こえて」〈更級〉 2 聞きなれている。「仏の御教へをも—・きたとひにひきまぜ」〈源・橋姫〉
みみ‐つき【耳付き】
1 耳のかっこう・ようす。 2 耳がついていること。また、そのもの。「—の鍋(なべ)」
みみ‐づか【耳塚】
戦で首の代わりに切りとった敵兵の耳を埋めた塚。特に、文禄・慶長の役の際の京都東山方広寺大仏殿西のものが有名。
みみ‐と・し【耳疾し/耳聡し】
[形ク]聴覚が鋭い。耳ざとい。「忍びやかに言ひけるを—・く聞きて」〈宇治拾遺・四〉
耳(みみ)留(とど)ま・る
「耳とまる」に同じ。「あまりおどろおどろしき事と—・りける」〈源・東屋〉
耳(みみ)留(とど)・む
「耳とむ」に同じ。「聞き置き給へる女(むすめ)なれば、ゆかしくて—・め給へるに」〈源・帚木〉
耳(みみ)留(と)ま・る
聞いて注意が向く。耳にとまる。「たちはき、落窪の君の上を語り聞こえければ、少将—・りて」〈落窪・一〉