きき‐わす・れる【聞(き)忘れる】
[動ラ下一][文]ききわす・る[ラ下二] 1 うっかりして、聞くべきことを聞かないままにする。「集合時刻を—・れる」 2 聞いたことを忘れる。「この年齢になると何でもすぐに—・れてしまう」
きき‐わた・す【聞き渡す】
[動サ四] 1 あたり一帯の声・音を聞く。「伴僧の声々、遠く近く—・されたるほど」〈紫式部日記〉 2 ずっと聞きつづける。「鐘の声も—・さまほしくおぼえ侍るを」〈源・宿木〉
きき‐わた・る【聞き渡る】
[動ラ四]長い間ずっと聞く。以前からずっと聞いている。「音にのみ—・りこし宇治川の網代(あじろ)の波も今日ぞかぞふる」〈更級〉
きく‐ならく【聞くならく】
[連語]《動詞「き(聞)く」の終止形+伝聞推定の助動詞「なり」のク語法》聞くところによると。「—、熱心なる油絵師は刑場(しおきば)なんどへも出張して…眼を注ぎて観察するとか」〈逍遥・小説神髄〉
聞(き)くは一時(いっとき)の恥(はじ)聞(き)かぬは末代(まつだい)の恥(はじ)
知らないことを聞くのは、その場では恥ずかしい思いをするが、聞かないで知らないまま過ごすと、一生恥ずかしい思いをしなければならないということ。問うは一旦の恥、問わぬは末代の恥。
聞(き)く耳(みみ)持(も)たぬ
⇒聞く耳を持たない
聞(き)く耳(みみ)を持(も)た◦ない
相手の発言を聞く気がない。
きこえ‐ご・つ【聞こえ言つ】
[動タ四]《「聞こえ言(ごと)」の動詞化》目上の方のうわさなどを口にする。目上の方のお耳に入るように話をする。「人につきて—・つを聞くを」〈かげろふ・上〉
きこし‐お・す【聞こし食す】
[動サ四]《動詞「聞く」の尊敬語「きこす」と、動詞「食う」の尊敬語「おす」の複合したもの》「治める」の尊敬語。お治めになる。「—・す国のまほらぞ」〈万・八〇〇〉
きこし‐め・す【聞こし召す】
[動サ五(四)]《動詞「聞く」の尊敬語「きこす」に動詞「見る」の尊敬語から転じた「めす」の複合したもの》 1 本来の「飲む」「食う」の尊敬語から転じて、酒を飲むことを戯れていう。「だいぶ—・して...