もじ‐ばり【綟張り】
歌舞伎の大道具で、一部に紗(しゃ)を張って、後ろの背景や俳優などがかすんで見えるようにしたもの。背後から徐々に照明を当てるとしだいに見えてくるので、亡霊の出現などに用いる。
やがい‐げき【野外劇】
野外で、自然を舞台、または背景として行う演劇。ページェント。
やけあとのイエス【焼跡のイエス】
石川淳の短編小説。昭和21年(1946)、雑誌「新潮」10月号に発表。終戦後の上野の闇市を背景に、浮浪児を救世主イエス‐キリストに見立てた作品。
やまのさち【山の幸】
東郷青児による壁画。京都丸物百貨店の大食堂の壁を飾ったもので、昭和11年(1936)の作品。山と丘を背景に、果物の入った籠を持つエプロン姿の二人の女性を描く。藤田嗣治による「海の幸」と対になっている。
やみのそうれつ【闇の葬列】
高橋義夫の時代小説。昭和62年(1987)刊。副題「広沢参議暗殺犯人捜査始末」。明治維新時代を背景とする歴史推理もの。
やめるぶぶん【病める部分】
井上光晴の短編小説。昭和26年(1951)8月、文芸誌「新日本文学」に発表。朝鮮戦争を背景に、分裂問題を抱えた共産党地方支部の混乱と下部党員の苦悩を描く。
やりをもつへいしのしょうぞう【槍を持つ兵士の肖像】
《原題、(イタリア)Alabardiere》ポントルモの絵画。板に油彩。のちにカンバスに移行。縦92センチ、横72センチ。鮮やかな赤い帽子をかぶった若い兵士を、暗い背景から浮かび上がるように描く...
ユー‐エス‐エー【U.S.A.】
ドスパソスの長編小説。1938年刊。20世紀初頭の時代を背景に数多くの登場人物の人生を描きつつ、米国の資本主義社会を批判した作品。「北緯42度線」(1930年発表)、「1919年」(1932年発...
よあけまえ【夜明け前】
島崎藤村の長編小説。昭和4〜10年(1929〜1935)発表。明治維新前後の動乱の時代を背景に、木曽馬籠宿の旧家の当主、青山半蔵の苦難の一生を描く。モデルは作者の父。昭和28年(1953)、吉村...
よにんのしと【四人の使徒】
《原題、(ドイツ)Die vier Apostel》デューラーの絵画。板に油彩。左右一対の作品。各縦約213センチ、横約76センチ。黒い背景にヨハネとペテロ、パウロとマルコの等身像が描かれる。ミ...