こけ‐の‐ころも【苔の衣】
1 地を覆う苔を衣にたとえていう語。こけごろも。「白露の朝(あした)夕べにおく山の—は風もさはらず」〈新古今・雑中〉 2 僧・隠者などの着る粗末な衣服。こけごろも。こけのたもと。こけのきぬ。「男...
こけのころも【苔の衣】
鎌倉時代の擬古物語。4巻。作者未詳。文永8年(1271)以前の成立。人生の無常を主題に、父子3代の恋愛と悲運を描く。
こけ‐の‐した【苔の下】
《苔の生えた地面の下の意から》墓の下。草葉の陰。「埋づもれぬかばねを何に尋ねけむ—には身こそなりけれ」〈更級〉
こけ‐の‐したみず【苔の下水】
苔の下を通って流れる水。「岩間とぢし氷も今朝は解け初(そ)めて—道求むらむ」〈新古今・春上〉
こけ‐の‐たもと【苔の袂】
僧・隠者などの着る衣。こけのそで。「美麗を好みて宝をつひやし、これを捨てて—にやつれ」〈徒然・一七二〉
こけ‐の‐とぼそ【苔の枢】
僧・隠者などの住む、粗末な家の戸。「独り行く袖より置くか奥山の—の路の夕露」〈金槐集・上〉
こけ‐の‐はな【苔の花】
スギゴケなどのコケ植物の雄株(おかぶ)にできる雄器(ゆうき)の集まり。花に見立てていう。《季 夏》「水打てば沈むが如し—/虚子」
こけ‐むし【苔虫】
コケムシ綱の触手動物の総称。微小な個体が集まってコケ状・樹枝状・塊状の群体をなし、岩石・海藻などに着生する。海水中にすむものが多い。
こけ‐むしろ【苔筵】
[名] 1 苔が一面に生えているさまを、むしろに見立てていう語。こけのむしろ。「み吉野の青根が峰(みね)の—誰か織りけむ経緯(たてぬき)なしに」〈万・一一二〇〉 2 山中のわび住まいの、粗末な...
こけ‐む・す【苔生す】
[動サ五(四)]苔が生える。また、年月を経て古びる。「—・した石畳」