うちつけ‐ごと【打ち付け言】
ふと思いついたことを、そのまま口に出すこと。また、その言葉。「幸ひ人の光失ふ日にて、雨はそぼ降るなりけりと、—し給ふ人もあり」〈源・若菜下〉
うちとけ‐すがた【打ち解け姿】
くつろいだ姿。ふだん着のままの姿。「もの清げなる—に、花の、雪のやうに降りかかれば」〈源・若菜上〉
うち‐の‐みかど【内の帝】
天皇。→院の帝(みかど)「—さへ、御心寄せ殊(こと)に聞え給へば」〈源・若菜下〉
うち‐まぎ・る【打ち紛る】
[動ラ下二] 1 他のものにまじって目立たなくなる。「この人の御様の、なのめに—・れたるほどならば」〈源・総角〉 2 他の事に気をとられていやなことを一時忘れる。「はかなきことにても、もの思はし...
うつし‐びと【現し人】
1 (死者に対して)この世に生きている人。「—にてだに、むくつけかりし人の御けはひの」〈源・若菜下〉 2 (出家に対して)在俗の人。俗人。「—にては世におはせむも、うたてこそあらめ」〈源・手習〉
うぶ‐やしない【産養ひ】
1 出産後3日・5日・7日・9日目の夜に、親類が産婦や赤子の衣服、飲食物などを贈って祝宴を開くこと。また、その贈り物。平安時代、貴族の家で盛んに行われた。現在の「お七夜の祝い」はこの名残。「七日...
心(うら)もな・し
1 とりたてて思い煩うことがない。屈託がない。「—・く我が行く道に青柳の萌(は)りて立てれば物思(も)ひ出(で)つも」〈万・三四四三〉 2 相手に対して、自分の心の中を包み隠したりしない。「—・...
うるせ・し
[形ク] 1 頭の回転がよい。気が利いている。利発だ。賢い。「才かしこく、心ばへも—・かりければ」〈宇治拾遺・一〇〉 2 技能などがすぐれている。じょうずだ。→煩(うるさ)い「宮の御琴の音(ね)...
おお‐きさい【大后】
「おおきさき」の音変化。「—の、尚侍(ないしのかみ)を参らせ奉り給ひて」〈源・若菜上〉
おお‐きたのかた【大北の方】
貴人の母の敬称。先代の正妻。大上(おおうえ)。「—といふさがなものぞ」〈源・若菜下〉