あお‐そ【青麻/青苧】
1 《茎が青いところから》麻のこと。 2 麻の茎の粗皮(あらかわ)。麻縄などを作る。 3 (青苧)麻の茎の皮をはいで白くさらし、細く裂いたもの。奈良晒(ざらし)の原料とする。真苧(まお)。
あか‐そ【赤麻/赤苧】
イラクサ科の多年草。山地に多く、高さ60〜80センチ。葉は対生で、縁にぎざぎざがあり、先が三つに裂ける。茎は赤みを帯びる。夏、淡黄色の雄花と淡紅色の雌花とを穂状につける。
あさ‐お【麻苧】
麻の繊維を原料として作った糸。麻糸。
うみ‐お【績麻/績苧】
紡いだ麻糸。細く裂いて糸として縒(よ)った麻糸。うみそ。「娘子(をとめ)らが—かくといふ鹿脊(かせ)の山時し行ければ都となりぬ」〈万・一〇五六〉
お【麻/苧】
《「緒」と同語源か》 1 麻の古名。〈和名抄〉 2 麻または苧(からむし)の茎の繊維から作った糸。「—を縒(よ)りて」〈土佐〉
から‐むし【苧/枲/苧麻】
イラクサ科の多年草。原野にみられ、高さ1〜2メートル。茎は木質。葉は広卵形で先がとがり、裏面が白い。夏、淡緑色の小花を穂状につける。茎から繊維をとって織物にする。真麻(まお)。ちょま。《季 夏》
きび‐そ【生皮苧】
生糸を繰るときに出る糸くずを集め、乾燥させたもの。絹糸紡績などの原料とする。
こ‐くそ【木屎/刻苧】
木の粉や繊維くずなどを漆にまぜたもの。漆塗りの素地(きじ)の合わせ目・損傷部などを埋めるために用い、また乾漆像などの細部の肉付けにも用いる。
さげ‐そ【下げ苧】
漆喰(しっくい)を塗る際、下地の木摺(きず)りに釘を打ってそれに結び下げる麻糸。漆喰の剝落を防ぐ。さげお。
ちん‐そ【賃苧】
手間賃を取って麻を績(う)むこと。また、その麻。「私仕事に—績(う)み」〈浄・丹波与作〉