はん‐し【半死】
《古くは「はんじ」とも》 1 死にそうになっていること。 2 年をとっていて余命の短いこと。「かかる—の老僧の命を取ることが、何の復讐であるか」〈菊池寛・恩讐の彼方に〉
ひき‐あけ【引(き)明け】
夜明け。明け方。「春の—の薄紫の空に」〈菊池寛・蘭学事始〉
ひょう‐ぞく【剽賊】
通行人をおどして金品を奪う賊。追いはぎ。「—の為にあやめられた、旅人の死骸ではあるまいかと」〈菊池寛・恩讐の彼方に〉
ひょう‐ろう【漂浪】
[名](スル)さすらうこと。さまよいあるくこと。放浪。「賭場から賭場を、一緒に—して歩いた忠次迄が」〈菊池寛・入れ札〉
ひん‐ぴん【彬彬/斌斌】
[ト・タル][文][形動タリ]《「ひんひん」とも》 1 外形と内容とが調和し、充実しているさま。「二行—として豁然智度の心萌し」〈菊池寛・恩讐の彼方に〉 2 文化的な事物の盛んに起こるさま。「作...
び‐か【微瑕】
少しのきず。わずかの欠点。「儀礼を正しうして—だに犯さぬ」〈菊池寛・忠直卿行状記〉
び‐しょう【美称】
1 他人をほめていうときの呼び方。また、よい評判。「三ケ津総芸頭と云う—を、長い間享受して来た藤十郎は」〈菊池寛・藤十郎の恋〉 2 上品な言い方。「霰(あられ)」に対する「玉霰」など。
びょう‐びょう【渺渺】
[ト・タル][文][形動タリ]果てしなく広いさま。遠くはるかなさま。「朝日が—たる波の彼方に昇ると船はからからと錨を揚げ」〈菊池寛・俊寛〉
ふ‐せん【富贍】
[名・形動]十分に足りて豊かであること。また、そのさま。「誇って居た想像の—な事などは」〈菊池寛・無名作家の日記〉
ふ‐つう【不通】
1 通じないこと。交通・通信などがとだえること。「大雪で国道が—になる」 2 便りや行き来のないこと。「音信—」 3 意味などが、通じないこと。わからないこと。「文意—」「孔孟の教も、伝来の初に...