かな‐むぐら【金葎/葎草】
アサ科の蔓性(つるせい)の一年草。野原や荒れ地に生える。茎や葉柄にとげが多く、他に絡みつく。葉は七つに裂けていて、ざらつく。雌雄異株。夏から秋にかけ、淡黄緑色の小花を多数つける。やえむぐら。《季 夏》
むぐら【葎】
広い範囲にわたって生い茂る雑草。また、その茂み。カナムグラ・ヤエムグラなど。もぐら。《季 夏》「山賤(やまがつ)のおとがひ閉る—かな/芭蕉」
むぐら‐の‐かど【葎の門】
葎の生い茂るにまかせた門。荒れはてた貧しい家をいう。むぐらがかど。「さびしくあばれたらむ—に」〈源・帚木〉
むぐらのはは【葎の母】
津島佑子の短編小説。昭和49年(1974)「文芸」誌に発表。翌年、第16回田村俊子賞受賞。
むぐら‐の‐やど【葎の宿】
葎の生い茂るにまかせた家。荒れはてた貧しい家。「思ひあらば—に寝もしなむ」〈伊勢・三〉
むぐら‐ふ【葎生】
葎が生い茂っていること。また、その所。「いかならむ時にか妹(いも)を—の汚なきやどに入れいませてむ」〈万・七五九〉