そで‐いし【袖石】
石段の左右に置く石。耳石(みみいし)。
袖(そで)打(う)ち合(あ)わ・す
かしこまって左右の袖を寄せ合わせる。相手に対する敬意を表す。袖掻き合わす。「—・せて立ちたるこそをかしけれ」〈枕・七六〉
そで‐うつし【袖移し】
他人から見えないように、自分の袖から相手の袖へこっそりと渡すこと。内密に渡すこと。「妻(め)、商人(あきびと)を喚(よ)びて玉を—に返し渡しつ」〈今昔・二・三三〉
そで‐うら【袖裏】
衣服の袖の裏につける布。
そで‐おうぎ【袖扇】
江戸時代、奥女中の中老以上の者が持つ扇。長さ6寸7分(約20.3センチ)。黒塗りの骨に鳥の子紙をはり、縁起のよい絵を描いた。
袖(そで)返(かえ)・す
1 袖を裏返しにする。こうして寝ると、夢に恋人が現れるという俗信があった。「我妹子(わぎもこ)に恋ひてすべなみ白たへの—・ししは夢に見えきや」〈万・二八一二〉 2 舞うときなどに、袖をひるがえす...
袖(そで)反(かえ)・る
袖や袂(たもと)が風にひるがえる。
そで‐かがみ【袖鑑】
袖にはいるぐらいの小さな案内書。
袖(そで)掻(か)き合(あ)わ・す
「袖打ち合わす」に同じ。「少将—・せ、生きたる人に物を申すやうに、泣く泣く申されけるは」〈平家・三〉
袖(そで)片敷(かたし)・く
片袖を敷いて寝る。独り寝をする。袖を片敷く。「別れにし妹が着せてしなれ衣—・きてひとりかも寝む」〈万・三六二五〉