かに‐ぐま【蟹隈】
歌舞伎の隈取りの一。紅隈(べにぐま)で、形状・色彩ともにカニを模したもの。半道敵(はんどうがたき)役に用いる。戯(ざ)れ隈(ぐま)。
くま【隈/曲/阿】
1 曲がって入り込んだ所。また、奥まった所。もののすみ。片隅。「川の—」「光到らぬ—もなし」〈樗牛・滝口入道〉 2 物陰になっている暗がり。陰になった所。「停車場(ステーシヨン)前の夜の—に、四...
くま‐ぐま【隈隈】
あちこちのすみ。すみずみ。「—まで探し求める」
こころ‐ぐま【心隈】
心にわだかまりがあること。「保子は信吾の—に気づかなくて」〈康成・山の音〉
さ‐ひのくま【さ檜の隈】
《「さ」は接頭語》奈良県高市郡明日香村檜前(ひのくま)の古称。「夢(いめ)にだに見ざりしものをおほほしく宮出もするか—廻(み)を」〈万・一七五〉
さる‐ぐま【猿隈】
歌舞伎の隈取りの一。猿の顔のように紅で額に横筋を3本入れ、目のまわりを彩るもの。「曽我の対面」の朝比奈などに使う。
じ‐ぐま【地隈】
絵画で、絹や紙の地を隈取(くまど)ること。
すじ‐ぐま【筋隈】
歌舞伎の隈取りの一。紅隈(べにぐま)に属する。初世市川団十郎が創始、2世団十郎が完成。「暫(しばらく)」の主役、「車引」の梅王などに用いる。
すみ‐ぐま【墨隈】
東洋画などで、墨の濃淡やぼかしによって隈を取り、立体感や雲霞(うんか)を表す手法。
そう‐ぐま【総隈/総暈渲】
日本画で、線描きをして着色をする前に、主となる物の周囲を墨または他の色で淡くくまどること。