うづき‐の‐いみ【卯月の忌み】
1 陰暦4月の賀茂の祭に関係する者が、潔斎のため、祭りに先立って家にこもること。「ほととぎす—に忌(い)こもるを思ひ知りても来鳴くなるかな」〈山家集・上〉 2 御田植え祭りの前の物忌み。
うとう‐やすかた【善知鳥安方】
奥州外ヶ浜にいたという海鳥。鴨ほどの大きさで、親鳥が「うとう」と鳴くと子の鳥は「やすかた」と答えたという。「そもそも—の、とりどりに品変はりたる殺生の中に」〈謡・善知鳥〉
うら‐ぶ・れる
[動ラ下一][文]うらぶ・る[ラ下二] 1 落ちぶれて惨めなありさまになる。不幸な目にあったりして、みすぼらしくなる。「—・れた生活」 2 心がしおれて、わびしく思う。悲しみに沈む。「君に恋ひ—...
うりゅう‐やま【瓜生山】
京都市左京区北白川北東にある山。[歌枕]「—紅葉の中に鳴く鹿の声は深くも聞こえ来るかな」〈元真集〉
え【江】
海や湖沼の陸地に入り込んでいる所。入り江。古くは、広く海・川・堀などをいった。「奈呉の—に妻呼びかはし鶴(たづ)さはに鳴く」〈万・四〇一八〉
えぞ‐ぜみ【蝦夷蝉】
セミの一種。体長は翅(はね)の先まで約6.5センチ。体は黒色の地に黄緑色と赤褐色の斑紋があり、翅は透明。本州以南では山地のアカマツの林などにすむが、北海道などでは平地にもみられ、夏、ギャーギャー...
えんま‐こおろぎ【閻魔蟋蟀】
コオロギの一種。日本産では最大のコオロギで、体長約2.5センチ。体は褐色または黒褐色で、晩夏、雄はコロコロコロリと鳴く。顔面の感じが閻魔王を連想させるのでいう。
お・う【生ふ】
[動ハ上二]草や木などが生ずる。生え伸びる。「ぬばたまの夜のふけゆけば久木(ひさぎ)—・ふる清き川原に千鳥しば鳴く」〈万・九二五〉
おう‐さ【鶯梭】
鶯(うぐいす)が枝から枝へ飛び移って鳴くようすを、機(はた)の梭(ひ)の動くのにたとえていう語。
おう‐めい【嚶鳴】
《「詩経」小雅・伐木の「嚶として其れ鳴くは其の友を求むる声」から》 1 鳥が仲よく鳴き交わしたり、友人を求めて鳴いたりすること。また、その声。 2 友人同士が仲よく語り合うこと。