かえり‐ちゅう【返り忠】
主君に背いて敵方に通じること。裏切り。また、いったん背いた者が、再び忠義を尽くすこと。「—を、真の忠誠だと看ることは、生れ附いた人間の感情が許さない」〈鴎外・大塩平八郎〉
かえり‐つ・く【帰り着く】
[動カ五(四)]出発したもとの所に戻る。「やっとわが家に—・く」
かえり‐づゆ【返り梅雨】
「戻り梅雨」に同じ。《季 夏》
かえり‐て【却りて】
[副]反対に。逆に。かえって。「いかにいとほしげならむと侮りしを、—心恥づかしきまでなむ見ゆる」〈源・玉鬘〉
かえり‐てん【返り点】
漢文の訓読で、返り読みの順序を示すために施される符号。漢字の左下に小さく記入するもので、「レ、一・二・三、上・中・下、甲・乙・丙、天・地・人」などがある。
かえり‐てんじょう【還り殿上】
1 「還昇(かんじょう)」に同じ。「—して五位の蔵人になりて」〈承応版狭衣・一〉 2 上皇が再び皇位につくこと。重祚(ちょうそ)。「のちには—して称徳天皇と申しき」〈盛衰記・三〉
かえり‐な・る【還り為る】
[動ラ四]解任された人が、再び元の官に就く。「関白二条殿良実、この三年ばかりまた—・り給へば」〈増鏡・北野の雪〉
かえりなんいざ【帰りなん、いざ】
志水辰夫の長編小説。平成2年(1990)刊行。
帰(かえ)りなんいざ
《陶淵明「帰去来辞」の「帰りなんいざ、田園将(まさ)に蕪(あ)れんとす、胡(なん)ぞ帰らざる」の一節》さあ、帰ってしまおう、の意。 [補説]書名別項。→帰りなん、いざ
かえり‐にゅうまく【返り入幕】
相撲で、十両に落ちた力士が、再び幕内に入ること。