かび【牙】
植物の芽。「葦—の如く萌えあがる物に因りてなれる神」〈記・上〉
かび【穎】
《「かひ」とも》植物の穂。特に、稲穂。「初穂をば千(ち)—八百(やほ)—に奉り置きて」〈祝詞・祈年祭〉
かび【黴】
《「牙(かび)」と同語源》有機物の上に生じる菌類またはその菌糸の集まり。糸状菌など、キノコを生じないものをさしていい、適当な温度と水分があれば無制限に成長を続け、至るところに発生する。《季 夏》...
か‐び【蚊火】
《「かひ」とも》蚊やり火。《季 夏》
か‐び【加被】
神仏が力を貸して守ってくれること。加護。「もし、神明、仏陀(ぶっだ)の—にあらずは、争(いかで)か反逆の凶乱をしづめんのみ」〈平家・七〉
か‐び【華美/花美】
[名・形動]はなやかで美しいこと。また、はなやかすぎて不相応なこと。また、そのさま。派手。「—を極める」「—な服装」
かび【黴】
徳田秋声の長編小説。自身と妻をモデルとした私小説風の作品で、明治44年(1911)「東京朝日新聞」に連載。単行本は明治45年(1912)刊。著者の自然主義作家としての地位を確立した作品のひとつ。