きおい【競い/勢い】
1 張り合うこと。競争すること。 2 強い勢い。気勢。「墨摺流(すりなが)す空の—夕立の雨の一しきり」〈二葉亭・浮雲〉 3 「競い肌」に同じ。「職人らしき—の風」〈露伴・五重塔〉 4 「競い馬」...
き‐おい【木負い】
軒が二軒(ふたのき)になっている場合に、地垂木(じだるき)の先端に置かれる横木。
き‐おい【気負い】
《「競(きお)い」から》自分こそはといった態度や気持ち。「—のない話しぶり」
きおい‐うま【競ひ馬】
「競(くら)べ馬」に同じ。「—の鼓に我を打ちこめて出(い)だしもはてぬ世にこそありけれ」〈夫木・二七〉
きおい‐かか・る【競ひ掛かる】
[動ラ四] 1 勢い込んで激しく攻めかかる。「味方—・り候間、敵方引き退き候」〈伊達日記・上〉 2 勢い込む。「お悦(よろこ)びであらうと—・って戻ったに」〈浄・栬狩剣本地〉
きおい‐がお【競ひ顔】
相手に負けまいと張り合うような顔つき。「—にやとて思し止まりぬ」〈栄花・根合〉
きおい‐ぐち【競ひ口】
勢いののったとき。調子づいたはずみ。「敵は十分勝ち誇ったる—」〈浄・島原蛙合戦〉
きおい‐こ・む【気負い込む】
[動マ五(四)]「気負い立つ」に同じ。「—・んで交渉の席に臨む」
きおい‐ざか【紀尾井坂】
東京都千代田区紀尾井町にある坂。江戸時代には紀伊・尾張・井伊の3藩の屋敷があった。明治11年(1878)大久保利通が暗殺された所。清水(しみず)坂。
きおいじし【勢獅子】
歌舞伎舞踊。常磐津(ときわず)。本名題「勢獅子劇場花罾(きおいじしかぶきのはなかご)」。3世瀬川如皐(せがわじょこう)作詞、5世岸沢式佐作曲、花柳寿輔振り付け。嘉永4年(1851)江戸中村座初演。