せっ‐か【石火】
火打ち石を打って出す火。きわめてわずかの時間、はかないこと、すばやい動作などのたとえに用いる。「電光—」「兄の事や沙金(しゃきん)の事を、一度に—のごとく、思い浮かべた」〈芥川・偸盗〉
石淋(せきりん)の味(あじ)を嘗(な)めて会稽(かいけい)の恥(はじ)を雪(すす)ぐ
《越王勾践(こうせん)が会稽山の戦いに敗れ、呉王夫差の石淋をなめて病状を医者に報告するという恥に耐え、その後呉を討って仇を報いたという故事から》屈辱を耐え忍んで、復讐の志を成し遂げることのたとえ。
積羽(せきう)舟(ふね)を沈(しず)む
《「淮南子(えなんじ)」繆称訓から》軽い羽根も大量になると、その重さで舟も沈む。小さなことも積もり重なると大事になることのたとえ。
せい‐よう【青蠅】
1 あおばえ。 2 《「詩経」小雅・青蠅から》口うるさい小人物のたとえ。蒼蠅(そうよう)。
狭匙(せっかい)で腹(はら)を切(き)る
木製である狭匙で腹を切る。できないことをするたとえ。
せい‐けい【成蹊】
《「史記」李広伝賛から》徳のある人の所には、だまっていても人が集まることのたとえ。→桃李(とうり)もの言わざれども下(した)自(おのずか)ら蹊(みち)を成す
せいざん‐いっぱつ【青山一髪】
遠くの青い山が青い空と線のように交わるさまを1本の髪の毛にたとえた語。
枘鑿(ぜいさく)相容(あいい)れず
二つの物事が、互いに食い違っていて合わないことのたとえ。
せいし‐にゅう【西施乳】
《美味なことを西施の乳にたとえたもの》フグの別名。
清濁(せいだく)併(あわ)せ呑(の)む
心が広く、善でも悪でも分け隔てなく受け入れる。度量の大きいことのたとえ。