たもと‐どけい【袂時計】
懐中時計。「秒を刻む—の音」〈漱石・道草〉
袂(たもと)に縋(すが)・る
願いを聞いてもらうまでは離すまいと、人のたもとをとらえる。転じて、相手の同情を引いて助けを求める。「—・って食いつなぐ」
袂(たもと)の露(つゆ)
たもとにかかる涙。「君のみや花の色にも立ちかへで—は同じ秋なる」〈後拾遺・哀傷〉
袂(たもと)を絞(しぼ)・る
たもとをしぼるほど涙を流す。ひどく泣く。「両親に—・らせた事は有(あっ)ても」〈二葉亭・浮雲〉
袂(たもと)を連(つら)・ねる
人と行動を共にする。「賛同者として—・ねる」
袂(たもと)を分(わ)か・つ
行動を共にした人と別れる。関係を断つ。離別する。「盟友と—・つ」
た‐もり【田守】
秋の田の番をすること。また、その人。《季 秋》「稲塚の戸塚につづく—かな/其角」
たも・る【賜る/給る】
[動ラ四]《「たまはる」が転じた「たもうる」の音変化》 1 くださる。「半分はみどもにも—・れ」〈虎明狂・連歌毘沙門〉 2 (補助動詞)動詞の連用形に接続助詞「て」を添えた形に付いて、目下の者に...
た‐もん【他門】
1 ほかの一門。自分の属する一族以外の氏族。また、芸道・学問などで、その流派以外の流派。 2 ほかの宗門・宗派。
た‐もん【多門/多聞】
1 城の石垣の上に築いた長屋造りの建物。兵器庫と防壁を兼ねる。松永久秀が大和国佐保山に築いた多聞城の形式からの名という。多聞櫓(やぐら)。 2 本宅の周囲に建てた長屋。 3 江戸城中の御殿女中が...