なごり‐の‐おもて【名残の表】
連歌・連句を書きつける懐紙の最後の一折の表。百韻では14句、歌仙では12句を書く。名表。
なごり‐の‐おり【名残の折】
連歌・連句を書きつける懐紙の最後の一折。百韻では4枚目、歌仙・五十韻では2枚目についていう。名残。→初折
なごり‐の‐さかずき【名残の杯】
別れを惜しんでくみかわす杯。別杯(べっぱい)。
なごり‐の‐しも【名残の霜】
八十八夜のころ降りる、霜。別れ霜。忘れ霜。《季 春》
なごり‐の‐そで【名残の袖】
別れの心残りを惜しむことのたとえ。なごりのたもと。「さらばよ友人、—を招く尾花のほのかに見えし跡絶えて」〈謡・松虫〉
なごり‐の‐たもと【名残の袂】
「名残の袖(そで)」に同じ。「泣いて尽きせぬ—見捨てて抱(かか)へを手繰り寄せ」〈浄・天の網島〉
なごり‐の‐ちゃ【名残の茶】
茶の湯で、残り少なくなった前年の古茶の名残を惜しんで、陰暦8月末日から9月にかけて催す茶会。今は、風炉から炉に移る10月中旬より下旬にかけて催す。名残の茶事。
なごり‐の‐ちゃじ【名残の茶事】
「名残の茶」に同じ。
なごり‐の‐つき【名残の月】
1 夜明け方の空に残る月。有り明けの月。残月。 2 《その年の最後の観月となるところから》陰暦九月十三夜の月。十三夜。後の月。《季 秋》
なごり‐の‐なみだ【名残の涙】
名残を惜しんで流す涙。別れの涙。「息をとぢたる眼(まなこ)にも—せきあへず」〈浄・用明天王〉