ひと‐おれ【一折れ】
舞や曲のひと区切り。ひとさし。ひとふし。「袖かへす所を、—、気色ばかり舞ひ給へるに」〈源・花宴〉
ひと‐ごころ【人心】
1 人間の気持ち。また、人としての情愛の心。「思えば無情(つれな)の—かな」〈樗牛・滝口入道〉 2 「人心地2」に同じ。「聖は—もなくて、二日三日ばかりありて死にけり」〈宇治拾遺・一三〉
ひつじ‐ばえ【穭生え】
1 刈ったあとの株から再び伸びる稲。「田の—は其ままにて」〈貝おほひ〉 2 毛髪などがまばらに生えること。「—の眉毛(まみえ)がりきんだばかりで」〈滑・浮世風呂・二〉
ひと‐だね【人種】
1 その場にいる人の数。また、人間。「声をかけ合って纔(わずか)に未だ—の世に尽きぬのを知るばかり」〈鏡花・高野聖〉 2 精液のこと。「おめえさんを女にすると、ほんに—が尽きいす」〈洒・遊冶郎〉
ひっ‐こな・す【引っ熟す】
[動サ四] 1 自分の思うままにあしらう。「たのむとばかり—・す文章も」〈浄・聖徳太子〉 2 軽く扱う。ばかにする。「小姑(こじうと)を—・した」〈浄・歌軍法〉
ひと‐しごと【一仕事】
[名](スル) 1 少しばかり仕事をすること。また、その仕事。「朝飯前に—しておこう」 2 まとまった仕事。かなり骨の折れる仕事。「この後始末は—だ」
ひと‐だのめ【人頼め】
[名・形動ナリ]人に当てにさせること。人に頼もしく思わせて、実際にはそれほどでないこと。また、そのさま。「くやしくもかざしけるかな名のみして—なる草葉ばかりを」〈源・葵〉
びしょく‐か【美食家】
ぜいたくでうまいものばかりを好んで食べる人。グルメ。
ひ‐まし【日増し】
1 日がたつにつれて、物事の度合いが増すこと。「—に回復する」 2 食物が日数がたって古くなること。また、そのもの。「—の筍(たけのこ)」「牛肉ばかりは、—はまっぴらサ」〈魯文・安愚楽鍋〉
百里(ひゃくり)の海(うみ)も一夫(いっぷ)に飲(の)ましむる能(あた)わず
《「尉繚子」治本から》どんなに広い海の水でも、飲み水としては一人の渇(かつ)をいやすにも足りない。大きいばかりが能ではないというたとえ。