なま‐にく・し【生憎し】
[形ク]どことなく憎らしい。少しもかわいげがない。「いとつつみなく、もの馴れたるも—・きものから」〈源・橋姫〉
どう‐し【同士】
身分や境遇、性質などが互いに共通している人。他の名詞の下に付いて、接尾語的にも用いられる。どし。「愛し合った—」「従兄弟(いとこ)—」「初対面—」 [補説]「どち」の転じた「どし」が変化した語と...
どころ
[副助]《形式名詞「ところ」が連濁により音変化したものから》名詞または名詞に準じる語、活用語の終止形に付き「どころではない」などの形で、ある事態をあげ、そのようななまやさしい程度のものではないと...
とし‐の‐わたり【年の渡り】
1 1年の間。「玉葛(かづら)絶えぬものからさ寝(ぬ)らくは—にただ一夜のみ」〈万・二〇七八〉 2 年に一度、彦星が天の川を渡って織女と会うこと。「天の川—の秋かけてさやかになりぬ夏の夜の闇」〈...
どく‐りつ【独立】
[名](スル) 1 他のものから離れて別になっていること。「母屋から—した離れ」 2 他からの束縛や支配を受けないで、自分の意志で行動すること。「—の精神」「—した一個の人間」 3 自分の力で生...
とって
《助詞「とて」の促音添加。近世語》 [格助]句または文を受けて、引用を表す。…と言って。…と思って。「年玉にいい—、おらが所ぢゃあ、いかいこと買ったよ」〈滑・浮世風呂・二〉 [接助]活用語の...
どう‐しゃ【硇砂/磠砂】
《「磠」の字音は「ろ」だが、字形の近似から、「硇」に通用させたものか》塩化アンモニウムの古名。ろしゃ。
とじ・む【閉ぢむ】
[動マ下二] 1 事をなし終える。しとげる。「かくて—・めてむと思ふものから」〈源・空蝉〉 2 命を終える。死ぬ。「重き病者の、にはかに—・めつるさまなりつるを」〈源・若菜下〉
と‐よ・る【外寄る】
[動ラ四]《本来のものから外れた方に寄る意》後世になる。当世風になる。「妙(たへ)にをかしき事は、—・りてこそ書き出づる人々ありけれど」〈源・梅枝〉
何(なに)とやらん
1 なんであろうか。どういうものか。「漫々たる海上に、—はたらく物あり」〈延慶本平家・二本〉 2 なんとなく。どことなく。「—足がひろがったやうで歩(あり)きにくいよ」〈虎明狂・引敷聟〉