よ‐の‐きこえ【世の聞こえ】
世間の評判やうわさ。「—をはばかる」「二条の后(きさき)に忍びて参りけるを、—ありければ」〈伊勢・五〉
よ‐の‐ことごと【世の悉/世の尽】
命あるかぎり。世のかぎり。「妹(いも)は忘れじ—に」〈記・上・歌謡〉
よ‐の‐さが【世の性】
世の常のこと。世間のならい。「おくれ先だつほどの定めなさは—と見給へ知りながら」〈源・葵〉
よのすけ【世之介】
井原西鶴の浮世草子「好色一代男」の主人公。色男、また好色な男の代表とされる。
よのすけのはなし【世之助の話】
芥川竜之介の短編小説。大正7年(1918)4月、雑誌「新小説」に発表。井原西鶴の「好色一代男」の主人公世之助(原作の表記は世之介)が色事の真相を語る。
よ‐の‐たとい【世の譬ひ】
世間で言いならわしているたとえ。世間での言いぐさ。「もて離れてうとうとしく侍れば、—にてむつび侍らず」〈源・帚木〉
よ‐の‐ためし【世の例】
1 世の習い。世の常。「会えば必ず別れのあるのが—だ」 2 世間に語り継がれている事柄。また語り継がれるであろう事柄。「—にもなりぬべき御もてなしなり」〈源・桐壺〉
よ‐の‐つね【世の常】
1 世間によくあること。「二度あることは三度あるのが—だ」 2 ごく普通であること。「大きさは先(まず)、—の猫ほどでもございましょうか」〈芥川・地獄変〉
よ‐の‐とおびと【世の遠人】
長寿の人。「汝(な)こそは—汝こそは国の長人」〈仁徳紀・歌謡〉
よ‐の‐なか【世の中】
1 人々が互いにかかわり合って生きて暮らしていく場。世間。社会。「—が騒がしくなる」「暮らしにくい—になる」 2 世間の人々の間。また、社会の人間関係。「—はもちつもたれつだ」「親も友達もないん...