や‐え【八重】
1 八つ重なっていること。転じて、数多く重なっていること。また、そのもの。「七重の膝(ひざ)を—に折る」 2 花びらが数多く重なっていること。また、その花。重弁(じゅうべん)。「—の椿(つばき)」
やえ‐がき【八重垣】
幾重にも巡らしたかきね。「八雲立つ出雲(いづも)—妻籠みに—作るその—を」〈記・上・歌謡〉
やえ‐がすみ【八重霞】
幾重にもたちこめたかすみ。「難波潟(なにはがた)刈りふく蘆(あし)の—ひまこそなけれ春のあけぼの」〈新後撰・春上〉
やえ‐ぐも【八重雲】
幾重にも重なる雲。「峰の—、思ひやるへだて多くあはれなるに」〈源・橋姫〉
八重雲(やえぐも)隠(かく)・る
八重雲に隠れる。「天雲(あまくも)の—・り鳴る神の音のみにやも聞き渡りなむ」〈万・二六五八〉
やえごろも【八重衣】
地歌・箏曲(そうきょく)。文化・文政(1804〜1830)ごろ、京都の石川勾当(いしかわこうとう)作曲。のちに八重崎検校が箏の手を付けた。百人一首中の衣にちなむ歌5首を四季の順に並べた歌詞で、京...
やえ‐ざき【八重咲き】
花びらが数多く重なって咲くこと。また、その花。重弁花。「—の椿(つばき)」
やえ‐ざくら【八重桜】
1 八重咲きのサトザクラ。ヤマザクラから変化したもので、桜の中では遅く開花し、花色は白・紅・緑黄など。ぼたんざくら。《季 春》「奈良七重七堂伽藍—/芭蕉」 2 女房装束で、五衣(いつつぎぬ)に桜...
やえ‐じゅうもんじ【八重十文字】
ひもなどを縦横に幾重にもかけて縛ること。
やえす【八重洲】
東京都中央区の地名。東京駅の東に位置し、商業地。名は、この地に屋敷のあったヤン=ヨーステンの名前がなまったもの。