な‐だた・し【名立たし】
[形シク]評判になりそうである。うわさが立ちそうである。「いと清げなる相婿とり給ひてけりな。あな—・し」〈落窪・一〉
な‐だた・り【名立たり】
[動ラ変]《「なたちあり」の音変化》名が立っている。有名である。「世の中に—・り給ひつる仇人(あだびと)の」〈宇津保・嵯峨院〉
な‐だたる【名立たる】
[連体]《動詞「なだたり」の連体形から》有名な。評判の高い。「景勝の—地」「世界に—音楽家」
な‐だて【名立て】
評判が立つようにすること。また、その評判。「移ろはぬ松の—にあやなくも宿れる藤の咲きて散るかな」〈貫之集〉
な‐づき【名付き/名簿】
自分の官位・氏名などを書いた札。入門・服従のしるしとして、また、貴人に会うときなどに差し出した。みょうぶ。「人のそこら奉る—をとどめさせ給ひて」〈宇津保・藤原の君〉
な‐づけ【名付け】
1 名をつけること。特に、新生児に名をつけること。また、その儀式。ふつう生後7日目に行う。命名。 2 「いいなずけ」に同じ。「—の方より、急々に欲しいと申すにつき」〈浄・今宮の心中〉
なづけ‐いわい【名付け祝(い)】
子供が生まれて7日目に名前をつける儀礼。名前を紙に書いて床の間などに貼(は)るなどする。お七夜(しちや)。
なづけ‐おや【名付け親】
1 生まれた子に名前をつける人。昔は主に母方の祖父が命名した。名親(なおや)。 2 仮親の一。子供の後見人として命名したり、別名を与えたりする人。名親(なおや)。 3 ある物事の呼び名を最初に言...
なづけ‐そ・む【名付け初む】
[動マ下二]はじめて名付ける。言いはじめる。「煙立ち燃ゆとも見えぬ草の葉をたれかわらびと—・めけむ」〈古今・物名〉
な‐づ・ける【名付ける】
[動カ下一][文]なづ・く[カ下二]名をつける。命名する。また、呼びならわす。称する。呼称する。「子犬をシロと—・ける」「天気雨のことを—・けて狐の嫁入りという」