あし‐ぬき【足抜き】
[名](スル) 1 芸妓や娼妓などが前借り金を清算しないで逃げること。あしぬけ。「—でもされてはと思ってんのかな」〈高見・人間〉 2 つらい状況・境遇などから抜け出すこと。「—がならぬさうにぞみ...
うかがい‐あし【窺ひ足】
抜き足差し足でこっそり歩くこと。忍び足。「表の方には六蔵が戻りかかって、—」〈浄・矢口渡〉
きょくてん‐せきち【跼天蹐地】
《高い天の下でからだを縮め、厚い大地の上を抜き足で歩く意》肩身がせまく、世間に気兼ねしながら暮らすこと。ひどくつつしみ恐れること。跼蹐(きょくせき)。「—の心境」
更(こう)闌(た)・く
夜がふける。「—・けて抜き足をして、後ろ口から薄暗い庭へ出て」〈鴎外・阿部一族〉
さし‐あし【差(し)足】
1 音を立てないように、足をものに差し入れるようにつま先から静かにおろしてゆく歩き方。「抜き足、—、忍び足」 2 競馬で、先行馬をゴール直前に抜き去る走りぶり。「—のいい馬」
しのび‐あし【忍び足】
人に気づかれないように、そっと歩くこと。「抜き足差し足—」
天(てん)に跼(せくぐま)り地(ち)に蹐(ぬきあし)す
《「詩経」小雅・正月から》天は高いのに背をかがめて行き、地は厚いのに抜き足で歩く。恐れて身の置き所がないことのたとえ。跼天蹐地(きょくてんせきち)。
ぬめり‐どうちゅう【滑り道中】
遊郭で、大夫が遊女屋と揚屋を往復するときに、内八文字や外八文字で練り歩く道中。「抜き足の—」〈浮・一代男・六〉