ふじなみ‐の【藤波の】
[枕] 1 藤のつるが物にからみつく意から、「思ひもとほり」にかかる。「—思ひもとほり若草の思ひつきにし」〈万・三二四八〉 2 波に関する意から、「たつ」「よる」にかかる。「—たちもかへらで君と...
ふす・べる【燻べる】
[動バ下一][文]ふす・ぶ[バ下二] 1 煙がたくさん出るように燃やす。いぶす。くすべる。「杉の枯れ葉を—・べる」 2 煙にあててすすで黒くする。いぶしをかける。いぶす。「銀を—・べる」 3 嫉...
ふそうしゅう【扶桑集】
平安中期の漢詩集。16巻。7巻・9巻のみ現存。紀斉名(きのただな)撰。長徳年間(995〜999)成立。平安中期の漢詩を収める。
ふたむら‐やま【二村山】
愛知県豊明市沓掛の山。一説に、岡崎市の山ともいう。[歌枕]「くれはどりあやに恋しくありしかば—も越えずなりにき」〈後撰・恋三〉
ふつ‐と
[副] 1 細長い物を断ち切るさま。「縄などの切るる様に—切るるままに」〈今昔・二三・二二〉 2 (多く下に打消しの語を伴って用いる)まったく。さっぱり。「後撰の歌といふ事—思ひ寄らで」〈無名抄〉
ふど‐き【風土記】
地方別にその風土・文化その他について記した書物。 奈良時代の地誌。和銅6年(713)元明天皇の詔により、諸国の産物・地形・古伝説や地名の由来などを記して撰進させたもの。現存するのは、完本の出...
ふぼくわかしょう【夫木和歌抄】
鎌倉後期の私撰和歌集。36巻。藤原長清撰。延慶3年(1310)ごろの成立とされる。万葉集以後の家集・私撰集・歌合わせなどの撰から漏れた歌1万7000余首を、四季・雑に部立てし、約600の題に分類...
ふみ‐と・む【踏み留む】
[動マ下二]踏んで足跡を留める。和歌では、多く「ふみ」に「文」を掛けて用いる。「春霞立ちながら見し花ゆゑに—・めてける跡のくやしさ」〈後撰・春下〉
ふみ‐まど・う【踏み惑ふ】
[動ハ四]「踏み迷う」に同じ。「道知らぬ物ならなくにあしひきの山—・ふ人もありけり」〈後撰・雑三〉
ふり‐まが・う【降り紛ふ】
[動ハ四]区別がつかないほど入りまじって降る。「秋深くなりにけらしな鈴鹿山紅葉は雨と—・ひつつ」〈新勅撰・雑四〉 [動ハ下二]入りまじって降って区別がつかないようにする。「花残るころにや分か...