こと‐おり【異折】
別の時。ほかの機会。「いつか—は、さはしたりし」〈能因本枕・四六〉
こと‐おんな【異女】
ほかの女。妻以外の情人である女。他(あだ)し女。「—に思ひつきて、思ひ出でずなり侍りにけり」〈後拾遺・雑中・詞書〉
こと‐かた【異方】
別の所。別の方面。「しばし、—にやすらひて参り来む」〈源・葵〉
こと‐き【異木】
別の木。ほかの木。「桐の木の花…、—どもと等しう言ふべきにもあらず」〈枕・三七〉
こと‐くに【異国】
1 ほかの国。別の国。他国。異郷。「おのが国にはあらで、—に田を作りけるが」〈宇治拾遺・四〉 2 外国。とつくに。「広く—の事を知らぬ女のためとなむ覚ゆる」〈源・常夏〉
こと‐こと【異異】
[名・形動ナリ]それぞれに異なること。また、そのさま。まちまち。別々。副詞的にも用いる。「人はみな御宿世といふもの—なれば」〈源・椎本〉 「梅の香のふりおける雪にまがひせば誰か—わきて折らまし」...
こと‐ごころ【異心】
1 ほかの事を思うこと。別の考え。他意。「—なくて、夜を昼になしてなむ、急ぎまかで来し」〈宇津保・吹上上〉 2 ほかの人を思う心。ふたごころ。あだしごころ。浮気心。「年ごろ—なくて過ぐし給へるな...
こと‐ごと【異事】
ほかの事。別の事。「—に言ひ紛らはして、おのおの別れぬ」〈源・若菜上〉
こと‐ざえ【異才】
他の才。ほかの芸能や学問。「琴をば更にもいはず、—もさるべき師ども召して」〈宇津保・俊蔭〉
こと‐ざま【異様】
[名・形動ナリ] 1 普通とは変わったありさま。ことよう。「かたちの—にて、うたてげに変はりて侍らば」〈源・賢木〉 2 期待などに反しているか、または今までと違ったありさま。「ねむごろに言ひ契り...