あわづ【粟津】
滋賀県大津市南部の地名。古来、交通の要地。「逢わず」の意味を掛け、「粟津野」「粟津の原」などの形で歌に詠まれた。[歌枕]「関越えて—の森の会はずとも清水に見えし影を忘るな」〈後撰・恋四〉
あわづ‐おんせん【粟津温泉】
石川県小松市にある温泉。北陸では最も古く、奈良時代の発見と伝えられる。泉質は硫酸塩泉。
あわづ‐が‐はら【粟津原】
大津市の琵琶湖に臨む松原。近江八景の一「粟津の晴嵐(せいらん)」は、晴天時に山風がここを吹き渡る光景をいった。木曽義仲討ち死にの地。
あわ‐づけ【粟漬(け)】
コハダ・イワシなどを塩と酢でしめ、蒸した粟と交互に重ね、押しをかけて漬けたもの。正月料理などにする。
あわの‐ぜん【粟野膳】
茨城県粟野産の折敷膳(おしきぜん)。かんな目が現れるように漆を薄黄色に塗ってある。水戸折敷(みとおしき)。
あわ‐ふ【粟生】
粟の生えている所。粟畑。「—には韮(かみら)一本(ひともと)」〈記・中・歌謡〉
あわ‐ぶ【粟麩】
生麩(なまふ)に粟をまぜて黄色に蒸し上げたもの。
あわぼ‐ひえぼ【粟穂稗穂】
小正月行事の作り物の一。ヌルデの短い棒を削りかけにして粟穂に、そのままのものを稗穂に見立て、割り竹などに刺して門口・庭・畑などに飾り、豊作を祈るもの。
あわ‐めし【粟飯】
粟を炊いた飯。また、粟を米にまぜて炊いた飯。あわいい。《季 秋》
あわ‐もち【粟餅】
糯粟(もちあわ)を蒸してついた餅。糯米(もちごめ)をまぜたものもある。《季 秋》