やま‐ひめ【山姫】
1 山を守る女神。「わたつみの神に手向くる—の幣(ぬさ)をぞ人は紅葉と言ひける」〈後撰・秋下〉 2 アケビの別名。「いが栗は心よわくぞ落ちにける此—の笑める顔見て」〈行宗集〉
やま‐もみじ【山紅葉】
ムクロジ科の落葉高木。本州中部以北の山地に自生。葉は手のひら状に七〜九つに裂けていて、縁にぎざぎざがあり、秋に紅葉する。花は春に咲き、紅色。
山(やま)粧(よそお)・う
《「臥遊録」の「秋山明浄にして粧うが如し」から》秋の山が紅葉によって色付くようすをいう。《季 秋》
やみ‐の‐にしき【闇の錦】
「闇の夜の錦」に同じ。「散りちらず見る人もなき山里の紅葉は—なりけり」〈和泉式部集・上〉
やみ‐やみ【闇闇】
[副] 1 何もできないさま。みすみす。むざむざ。「是で—死んで了うのは、余り無念とは思うけど」〈紅葉・金色夜叉〉 2 正気や分別を失ってわからなくなるさま。わけもわからず。「—となりて大将軍と...
やや【稍/漸】
[副] 1 いくらかその傾向を帯びているさま。少しばかり。「今年は昨年より—暑い」 2 少しの間。しばらく。「—間をおいて話し始める」 3 状況が少しずつ進むさま。しだいに。「風冷やかにうち吹き...
ゆう‐かげ【夕影】
1 夕方の日の光。夕日。「—に映える山並み」 2 夕日に照らされたものの形や姿。「一日(ひとひ)の源氏の御—、ゆゆしうおぼされて」〈源・紅葉賀〉
ゆう‐ぜみ【夕蝉】
夕方に鳴くセミ。《季 夏》「—や松も簾(すだれ)もみな赤き/紅葉」
ゆう‐ぜん【優然】
[ト・タル][文][形動タリ]落ち着いてゆとりのあるさま。「紳士は—と内に入らんとせしが」〈紅葉・金色夜叉〉
ゆき‐かよい【行(き)通い】
行きかようこと。往来。ゆきき。「恁(こ)う娘と—をすると、愛情が其方(そっち)へばかり傾くから」〈紅葉・二人女房〉