へい‐けん【平絹】
⇒ひらぎぬ
ふじ‐ぎぬ【富士絹/不二絹】
絹紡糸を用いた平織りの絹織物。広幅で無地染めや捺染(なっせん)をして、裾回し・長襦袢(ながジユバン)地・洋服地などに用いる。明治末期、富士瓦斯(ガス)紡績会社が創製したところからの名称。
ふと‐ぎぬ【太絹/絁】
⇒太織り
ほっ‐けん【北絹/黄絹】
《「ほっ(黄)」は唐音》室町時代に中国の東京(トンキン)から渡来した、黄繭の糸で織った薄い平絹。ほっけんつむぎ。
ほん‐けん【本絹】
まじりけのない絹糸・絹織物。純絹。正絹(しょうけん)。
まき‐ぎぬ【巻き絹】
軸に巻いた絹の反物。「唐錦十反、—五十疋、広蓋に積ませ」〈伽・鉢かづき〉
まきぎぬ【巻絹】
謡曲。四番目物。金春以外の各流。都から熊野に巻き絹を運ぶ使者が、途中音無の天神で歌を手向けていて遅参すると、天神が巫女(みこ)に乗り移り、使者を許すように言って、神楽(かぐら)を舞う。
みの‐ぎぬ【美濃絹】
岐阜県で産する絹織物。
むし‐の‐たれぎぬ【枲の垂れ衣/虫の垂れ絹/帔】
平安時代から鎌倉時代にかけて、中流女性の外出の際に、市女笠(いちめがさ)の周囲に苧麻(からむし)の繊維で織った薄い布を長く垂らしたもの。むし。むしたれ。
もみ【紅/紅絹】
《ベニバナをもんで染めるところから》紅(べに)で染めた無地の平絹。女物長着の胴裏や袖裏に用いる。もみぎぬ。