あし‐ま【葦間】
葦の茂みのあいだ。「—より見ゆる長柄(ながら)の橋柱昔のあとのしるべなりけり」〈拾遺・雑上〉
いささ‐むらたけ【いささ群竹】
少しばかりの竹の茂みの意か。神聖な竹の茂みの意の「斎笹(いささ)」とする説もある。「わが屋戸の—吹く風の音のかそけきこの夕(ゆふへ)かも」〈万・四二九一〉
お‐ぐら・い【小暗い】
[形][文]をぐら・し[ク]少し暗い。薄暗い。ほの暗い。「木立の下の—・い茂み」
かや‐ねずみ【萱鼠】
ネズミの一種。体長6センチくらいで尾も同じくらい。河原の茅の茂みなどにすむ。夏から冬にかけ、ススキの茎などの地上数十センチの所に草で球形の巣を作り、子を育てる。日本では関東以西に分布。
きば‐のろ【牙獐】
シカ科の哺乳類。体高約50センチ。全体に黄褐色。角はない。上あごの犬歯が大きく、口の外に出ている。朝鮮半島・中国に分布し、川岸のアシの茂みなどにすむ。がしょう。
け‐ざやか
[形動][文][ナリ]際立っているさま。はっきりとしているさま。「女竹(めだけ)の茂みが、白壁にそうてほとんど黒く—に浮きあがっている」〈野上・秀吉と利休〉
このくれ‐しげ【木の暗茂】
暗くなるほど木の茂ること。また、その茂み。「多祜(たこ)の崎—にほととぎす来鳴きとよめばはだ恋ひめやも」〈万・四〇五一〉
このくれ‐の【木の暗の】
[枕]木の茂みの暗い意から、「しげし」にかかる。「—繁(しげ)き谷辺(たにへ)を」〈万・四一九二〉
このは‐ごも・る【木の葉籠もる】
[動ラ四]木の葉の茂みに隠れて見えなくなる。「妹(いも)が目の見まく欲しけく夕闇の—・れる月待つごとし」〈万・二六六六〉
こもり‐ぬ【隠り沼】
草の茂みなどに覆われて外からは見えない沼。一説に、水の流れ出ない沼。「埴安(はにやす)の池の堤の—の行方を知らに舎人(とねり)は惑(まと)ふ」〈万・二〇一〉