うずら‐なく【鶉鳴く】
[枕]ウズラは草深い古びた所で鳴くところから「古(ふ)る」にかかる。「—故(ふ)りにし郷(さと)ゆ思へども」〈万・七七五〉
くさ‐がくれ【草隠れ】
1 茂った草の陰に隠れること。また、そういう場所。「大木の倒れたのが—に其の幹をあらわしている」〈鏡花・高野聖〉 2 草深い田舎の隠れ家。「かかる—に過ぐし給ひける」〈源・蓬生〉
くさ‐の‐はら【草の原】
1 草の生えている野原。くさはら。 2 草深い墓地。「うき身世にやがて消えなば尋ねても—をば問はじとや思ふ」〈源・花宴〉
くさぶか‐の【草深野】
草の生い茂っている野原。草深い野。「たまきはる宇智の大野に馬並(な)めて朝踏ますらむその—」〈万・四〉
くさぶか‐ゆり【草深百合】
草深い所に咲いているユリ。「道の辺(へ)の—の花咲(ゑ)みに笑みしがからに妻と言ふべしや」〈万・一二五七〉
くさ‐わけ【草分け】
1 土地を切り開いて、そこに村や町を興すこと。また、その人。 2 ある物事を初めて行うこと。また、その人。創始者。「電子工業界の—」 3 草深い所を分けて行くこと。また、そういう所。「—の道を早...
くさわけ‐ごろも【草分け衣】
草深い所を分けて行くときに着る着物。また、旅衣。「狩人の—ほしもあへず秋のさが野のよもの白露」〈玉葉・秋上〉
もう【莽】
[音]モウ(マウ)(呉) ボウ(バウ)(漢) [訓]くさ 1 草。草むら。「草莽」 2 草深いさま。「莽莽」
やぶ‐いり【藪入り】
[名](スル)《草深い田舎に帰る意から》正月と盆の16日前後に奉公人が主人から休暇をもらって、親もとなどに帰ること。また、その時期。特に正月のものをいい、盆のものは「後(のち)の藪入り」ともいう...
藪(やぶ)に剛(ごう)の者(もの)
《「やぶ」は「野夫」とも。また、「剛の者」は「功(こう)の者」とも》草深い所にも優れた人物がいるということ。また、軽んじられている者の中にもりっぱな者が交じっているということ。