あしはら‐がに【葦原蟹】
イワガニ科のカニ。河口の葦原などにすむ。甲幅3.5センチくらいで、全体に暗緑色。はさみ脚で音を出す。
あしはら‐の‐くに【葦原の国】
日本の国の異称。「草木みなことやめよとて—へ立ちにしいさをなりけり」〈日本紀竟宴和歌〉
あしはらのちいおあき‐の‐みずほのくに【葦原の千五百秋の瑞穂の国】
日本の国の美称。穀物がいつも豊かにみのる国の意。「—は、是、吾が子孫(うみのこ)の王(きみ)たるべき地(くに)なり」〈神代紀・下〉
あしはら‐の‐なかつくに【葦原の中つ国】
日本の国の異称。「中つ国」は、高天原(たかまがはら)と黄泉(よみ)の国の中間にある地上の世界の意。「—に有らゆるうつくしき青人草の、苦しき瀬に落ちて」〈記・上〉
あしはら‐の‐みずほのくに【葦原の瑞穂の国】
日本の国の美称。「—を天降り知らしめける皇祖(すめろき)の」〈万・四〇九四〉
あし‐び【葦火】
干した葦を燃やすたき火。《季 秋》「忽に燃えほそりたる—かな/虚子」
あし‐ぶえ【葦笛】
葦の葉を丸く巻いて作った笛。あしのはぶえ。
あし‐ぶね【葦舟】
1 葦や藺草(いぐさ)などを束ねてつくった小さい舟。最も原始的な舟で、古代のエジプト・インド・中国などで用いられた。日本でも古事記に水蛭子(ひるこ)をこの舟に乗せて流した話がある。ペルーとボリビ...
あし‐べ【葦辺/蘆辺】
葦の茂っている水辺。
あし‐ま【葦間】
葦の茂みのあいだ。「—より見ゆる長柄(ながら)の橋柱昔のあとのしるべなりけり」〈拾遺・雑上〉