あいだち‐な・し
[形ク] 1 おもしろみがない。無愛想である。「心よからず—・きものに思ひ給へる」〈源・夕霧〉 2 遠慮がない。ぶしつけだ。「世を思ひ給へ乱るることなむまさりにたると—・くぞうれへ給ふ」〈源・宿...
あおいのうえ【葵の上】
源氏物語の女主人公の一人。光源氏の最初の妻。六条御息所(みやすどころ)の生き霊に苦しめられ、夕霧を出産後、急死。 謡曲。四番目物。源氏物語による。世阿弥が古作を書き改めたもの。 箏曲。山田...
あお‐じ【青鵐/蒿雀】
ホオジロ科の鳥。全長16センチくらい。背面は緑褐色で、腹面は黄色。北海道・本州の山地で繁殖し、冬季は平地に下りてくる。あおしとど。《季 夏》「—鳴き新樹の霧の濃く淡く/秋桜子」
あかつき‐づくよ【暁月夜】
夜明け方に出ている月。有明の月。あかときづくよ。「夜深き—の、えもいはず霧(き)りわたれるに」〈源・賢木〉
あか‐ふじ【赤富士】
雲・霧と朝日との関係で、晩夏から初秋にかけての早朝に、富士山が赤く見える現象。北斎の「富嶽三十六景」の一つとしても知られる。《季 夏》「—に露滂沱(ばうだ)たる四辺かな/風生」 [補説]作品名別...
あき‐ぎり【秋霧】
秋に立つ霧。「春霞かすみて去(い)にし雁(かり)が音は今ぞ鳴くなる—の上に」〈古今・秋上〉
あきしの【秋篠】
奈良市の地名。霧の名所として知られた。新古今集の歌人藤原良経の号、秋篠月清の由来地。[歌枕]「—や外山(とやま)の里やしぐるらむ伊駒(いこま)のたけに雲のかかれる」〈新古今・冬〉
あきた・し【飽きたし】
[形ク]《「あ(飽)きいたし」の音変化。「いたし」は、はなはだしい意》ひどく嫌な気がする。やめにしたい気持ちだ。「事の乱れ出で来ぬるのち、我も人も憎げに—・しや」〈源・夕霧〉
あけ‐わた・る【明け渡る】
[動ラ五(四)]夜がすっかり明ける。また、雲や霧などが晴れて明るくなる。「ようやく夜が—・る」「—・った空」
あさ‐ぎり【朝霧】
朝方に立つ霧。《季 秋》「—や村千軒の市の音/蕪村」 [補説]書名別項。→朝霧