電子とその反粒子である陽電子が、クーロン力で結合した状態。粒子・反粒子の組み合わせのため、短時間で対消滅を起こしてγ (ガンマ) 線を放つ。電子と陽電子のスピンが平行状態にあるものをオルソポジトロニウム、反平行状態にあるものをパラポジトロニウムと呼び、前者は約1千万分の1秒、後者は約100億分の1秒で崩壊する。通常の原子との間に斥力がはたらき、物質中の原子間の空隙に留まる性質をもつ。この性質を利用して、寿命が長いオルソポジトロニウムを試料中に生成し、ナノメートルサイズの空隙を調べる手法が考案された。