うつし【移し】
1 「移し花(ばな)」に同じ。「秋の露は—にありけり水鳥の青葉の山の色づく見れば」〈万・一五四三〉 2 香を衣類などに染み込ませること。また、その香。「菊の露もこちたく、おほひたる綿などもいたく...
うつし‐いろ【移し色】
移し花で染めた薄い青色。「色々にこきまぜたる上に、—なる織物を着たり」〈浜松・二〉
うつし‐うま【移し馬】
「移しの馬」に同じ。
うつし‐え【移し絵】
水溶性の糊(のり)を塗った台紙に模様や絵を印刷したもの。水にぬらして物にはりつけ、乾ききらないうちに紙をはがすと台紙の模様や絵が転写される。陶器・ガラスなどの模様印刷に用い、また玩具にもする。
うつし‐ぐさ【移し草】
《染料にするところから》ツユクサの別名。
うつし‐ぐら【移し鞍】
平安時代、官人が公用で乗る馬寮(めりょう)の馬につける鞍。平文の鞍橋(くらぼね)、半舌の鐙(あぶみ)、斧形の大滑(おおなめ)が特色。似せて作った鞍を私馬(わたくしのうま)につけることもある。うつ...
うつし‐ごころ【移し心】
移りやすい心。移り気。「いで人は言のみぞよき月草の—は色ことにして」〈古今・恋四〉
うつし‐どの【移し殿/遷し殿】
1 神社の社殿改築のときなどに、臨時に神体を安置しておく仮の社殿。仮殿(かりどの)。 2 春日神社の社殿の一。神木を移し安置する社殿。
うつし‐の‐うま【移しの馬】
宮中の馬寮(めりょう)の管理する馬。必要に応じて諸司の官人の供奉(ぐぶ)や乗り換え用とした。うつしうま。
うつし‐ばな【移し花】
ツユクサの花の汁を紙に移して染み込ませたもの。染料として用いた。青花(あおばな)。